瘀血について②
こんにちは、今回も瘀血についてのお話をさせて頂きます。
医師であり、西洋医学と東洋医学の両方の立場から治療に臨まれている
西田皓一先生は「瘀血とは、微小循環障害とほぼ同一である」と言われています。
微小循環とは、血液を末梢の手足や臓腑など全ての組織に絶え間なく分配し
常に新しい酸素や栄養を供給し、老廃物を運び去っている血液循環のうち
細動脈から細静脈に移行する過程を指します。
正常な血液の働きは、全身に「酸素と栄養と体温」を運び、老廃物を持ち去る
ことですが、この過程の中で血液の停滞(瘀血)が生じることで痛みや不調の
原因となります。
痛みの大半や慢性疾患、体の不調には瘀血が関与していると考えられています。
瘀血が原因で起こるとされている疾病を挙げると
慢性消化器疾患:胃酸過多、胃潰瘍、胃癌、虫垂炎、慢性便秘、痔疾など
循環器疾患:動脈硬化症、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害など
婦人科疾患:生理痛、生理不順、不妊症の一部、子宮内膜症、更年期障害など
皮膚疾患:しみ、ニキビ、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹後の神経痛など
泌尿器疾患:前立腺肥大、膀胱炎、頻尿、乏尿など
精神疾患:神経症、統合失調症、鬱、認知症など
その他:頭痛、頸肩のこり、腰痛、坐骨神経痛、膝関節疾患、関節リュウマチなど
以上、瘀血が原因で実に様々な慢性疼痛や慢性疾患、内臓機能にまで影響を
及ぼしている可能性のあることがお分かり頂けたのではないでしょうか。
瘀血という概念は東洋医学独特のものですが、二千年以上も前から瘀血の存在を
認識し、瘀血の診断方法や治療手段まで考案されています。
瘀血の起こりやすい部位としては、顔面部、後頚部、上背部、腰部、下肢
などに細絡(皮膚表層に現れる毛細血管腫のこと)として現れます。
また腹部には、おへその周りや手術痕に圧痛・硬結となって現れます。
瘀血の治療としては、鍼治療と吸角療法の併用が効果的です。
いまお悩みの症状は瘀血が原因かもしれません。
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