脱毛症の鍼灸治療について

こんにちは、今回は「脱毛症」の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

人の毛髪は、一定期間成長したのちに退行期、そして休止期に入り成長が止まり、
やがて自然に抜け落ちていきますが、しばらくすると毛母細胞(毛を作るもととなる
細胞)の再分裂が始まり、新しい毛が芽生えてきます。

このヘアサイクル(芽生え、成長、抜け落ちるサイクルで毛周期とよばれます)に
乱れが生じ、成長期から休止期に急激に移行し毛が脱落するのが脱毛症です。

 

  

脱毛症の種類と原因について
円形脱毛症:年齢や性別に関係なく誰にでも起こる可能性があります。
突然ほぼ円形の脱毛斑(だつもうはん)が頭部に出現しますが、自覚症状に欠けるため、
しばしば家族や他人に指摘されて気づくことが多いようです。多発することもあり、融合し
て様々な形状を呈することもあります。さらに進行すると汎発(ばんぱつ)性脱毛症
(頭髪だけでなく、眉毛や睫毛、腋毛など全身の毛が抜け落ちてしまう症状です)に至る
ことも稀にあります。原因は不明ですが、毛周期の異常、自己免疫疾患、アトピー体質との
関連、内分泌障害、自律神経障害などが考えられています。

男性・女性型脱毛症:男性ホルモンの影響により、毛母細胞の分裂・増殖が抑えられ、
成長期が短縮し休止期に移行するため、まず硬毛が軟毛に変化し、さらに脱毛して頭毛が
薄くなります。男性では前頭部からM字型に、あるいは頭頂部から円形に脱毛が進行し
ます。女性の場合は、前頭部から頭頂部の間が薄毛になるという特徴があります。

牽引性脱毛症:長期にわたり髪の毛を引っ張ることで起こる脱毛症です。
分かれ目がいつも同じだったり、ポニーテールなど髪の毛を結うことで継続的に髪に負担
をかけていると、毛根がダメージを受けて、分け目や生え際の頭髪が薄くなります。
ヘアスタイルを時々変えるなど、髪や頭皮の負担を減らすことで防ぐことができます。

休止期脱毛症:大きな手術や産後、急激なダイエットなどの後に暫くしてから生じる
ことが多く、頭部全体の毛髪が一気に抜けてしまうこともあります。

その他にも脂漏性脱毛症(過剰に分泌された皮脂が毛穴を塞いでしまい頭皮が炎症を
起こし脱毛するもの)や粃糠(ひこう)性脱毛症(乾燥したフケが毛穴を塞ぐことで頭皮に
炎症を起こし、髪の成長が妨げられて発症する脱毛症です)。ストレスから自分で無意識に
毛をむしってしまう抜毛症などがあります。

 

脱毛症や円形脱毛症の鍼灸治療は、お灸や刺絡療法が効果的です。
昭和の名灸師と言われた深谷伊三郎先生は、「禿げているところに施灸しても効果はない。
肩甲骨部を中心に後頸、腰部を圧痛を求めて取穴する」と述べられ、特に肩甲間部の筋
緊張を緩めることの大切さを述べられています。

刺絡治療では、脱毛の局所に治療を加えることになります。
鍼が苦手な方でしたら、棒灸での刺激も効果的です。

東洋医学では、「髪は血余(けつよ)」と言われ、髪は血の働きによって艶を保って
いるとされています。鍼灸治療によって全身の気・血の流れを良くすることで髪の毛を
美しく保つことができます。

カウンセリングは無料で行っております。
お悩みのことがありましたら、お気軽にご相談下さい。

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