養生灸について②

今回は三陰交(さんいんこう)についてのお話をさせて頂きます。

「三陰交」とは足の太陰脾経、少陰腎経、厥陰肝経の三つの経絡
が交わるところを指し、このツボ一つで三つの経絡への効果が期待
できる重要なツボです。

 

三陰交にお灸を据えると、まず足の冷えがとれ足全体が温まるように
なります。そのため、生理痛・生理不順・子宮内膜炎・不妊症・更年期障害
など婦人病全般に効果があり「女三里」とも呼ばれています。

  

更に三陰交へのお灸は、足がだるい・浮腫むといった症状や、静脈瘤の
予防にも効果があります。

男性にも、膀胱炎・前立腺炎・前立腺肥大症・遺精・夢精・早漏などに
効果があります。

その他、下痢・便秘や尿失禁・尿路感染症、高血圧、ノイローゼなどへの
効果も知られています。

産婦人科医で漢方医の故石野信安先生は、三陰交を「安産のツボ」として
推奨しており、「ここにお灸をしていると、安産になり、さらに生まれた
子供が丈夫に育つことに気がつきました」と「女性の一生と漢方」という
著書のなかで述べています。

「安産のお灸」は母体の安定する5か月妊娠16週以降から始めます。
せんねん灸のような台座のついたお灸を、毎日1壮ずつ据えていき、
8か月妊娠28週からは2~3壮に増やしていきます。

「安産のお灸」をしていると、分娩時間が短くなり、お産が軽くなります。

 

ツボの位置は、足の内くるぶしの頂点に小指の外側をあて、示指の外側
までの指4本分上で、脛骨の骨際からやや後ろで、押すと圧痛や硬結があったり
して、他と違う感じのするところに取ります。

三陰交は足三里に匹敵する女性にとって大切なツボです。
是非毎日お灸を続けてみて下さい。

当院では定期的に「お灸教室」を開催し、ツボの取り方や、お灸の
据え方などを一緒に体験して頂いております。

お灸に興味のある方のご参加をお待ちしております。

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