養生灸について③

こんにちは、今回は腎兪(じんゆ)についてのお話をさせて頂きます。
その前にまず、兪穴についての説明をさせて頂きます。

兪穴は、背部の脊柱両側に循行する足太陽膀胱経とういう経絡上の経穴であり、
臓腑の経気が注ぎ流れる部位であるとされています。

臓腑はすべて、この背部兪穴と一定の密接な関係を持っており、五臓六腑の病変
はすべて相応する兪穴に特異的な反応を現しやすいため、臨床では背部兪穴の
このような異常現象にもとづき、病変部位の所在を知ることができるため、
兪穴は背部における診断治療点とされています。

 

  

東洋医学では「腎は精を蔵し生命力の根源である元気をもたらす」とされて
います。

ここでいう「精」とは、人体を構成する物質のひとつであり、人体の機能・活動
のすべてを支えている根本的な物質とされています。

父母から受け継いだ先天の精は、腎に内蔵されており、この精は飲食物から
造られる後天の精によって常に補充されています。
精は生命力と成長、生殖力の根源であり、この精が腎により活性化されたものが
元気であるとされています。

 

何となく腰が重い、足がだるい、疲れが抜けない、お腹に力が入らない、トイレ
が近いなどの症状は腎の働きの低下と考えられます。

腎兪は腰・下肢の痛み、生理痛・生理不順・不妊症といった女性特有の症状や
勃起障害にも効果があり、その他夜尿症、排尿障害、尿量減少、浮腫、倦怠感、
めまい、耳鳴りなどにも効果があります。更に体を温める作用などもあります。

ツボの探し方は、座っておへそと同じ高さの背骨を探ります。
ここはちょうど腰椎の二番と三番の間にあたり、ここから示指と中指を合わせた
指二本分離れたあたりを押してみて、圧痛があったり他と違う感じのする処に
取ります。

ここにせんねん灸なら「ピリピリと熱く感じるまで」据えてみて下さい。
使い捨てカイロも効果的ですが、くれぐれも低温やけどにはご注意下さい。

また、ツボを取った同じ姿勢のままお灸を据えると更に効果的です。

当院では定期的に「お灸教室」を開催し、ツボの取り方や、お灸の
据え方などを一緒に体験して頂いております。

お灸に興味のある方のご参加をお持ちしております。
お気軽にお問い合わせ下さい。

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