中脘(ちゅうかん)について

こんにちは、今回は中脘についてのお話をさせて頂きます。

中脘は任脈、手太陽小腸経、手少陽三焦経、足陽明胃経の交会穴であり、穴下は
胃の幽門部に相当し、胃経経気の集まるところであり、胃の募穴であり、また
六腑の会穴(腑会穴)、中焦の気会穴でもあるため、胃腑病が生じると多くの場合、
この部位に圧痛または異常反応が現れます。

 

中脘の「中」は中央、「脘」は胃腑、消化管を指します。
この経穴は胃腑の中央に位置しているので中脘と呼ばれます。

  

経穴の位置は、みぞおちの上端からおへそまで真っ直ぐ下に結んだ線の中央の
ところで、指先で圧痛を捜して印をつけます。

因みに、中脘の上一寸(親指の第一節の横幅分)に上脘が、おへその上二寸
(示指・中指・薬指の第一節を合わせた幅)には下脘があります。

 

上脘は上焦(心・肺)の病を主り、胃痛、胃痙攣、胃酸過多症、胃潰瘍、胃炎、
神経性心悸亢進症、喘息、めまい、肋間神経痛などに効果があります。

下脘は下焦(肝・腎・大腸・小腸・膀胱・胆)の病を主り、おへそ以下の病、
腎臓病、男女生殖器病、腸疾患、下肢の病、腰痛などに効果があります。

中脘は中焦(脾・胃)の諸病を主り、胃痛・胃痙攣・胃潰瘍・胃炎・胃酸過多症、
胃下垂・食欲不振・消化不良等の胃疾患や、内臓の位置異常を治し、つわりにも
よく効きます。中脘は中焦を主治すると共に、上焦・下焦をも治す要穴とされて
います。

霊枢(れいすう)・五味篇では、「胃は五臓六腑の海なり、水穀(飲食物のこと)
は胃に入り、五臓六腑は皆気を胃に禀(う)く」と述べています。
胃の機能が失調すると、多くの疾病を引き起こすことになり、健康にも影響し、
また老化を早めることにもなります。

臨床においては、脾胃の調整を重視しなければならず、中脘は調胃の常用穴と
される重要な経穴です。

ちなみに「霊枢」とは、現存する中国最古の医学書と呼ばれている「黄帝内経
(こうていだいけい)」を「素問」と共に構成し、三大古典と言われています。

当院では「お灸教室」を定期的に開催し、ツボの取り方、お灸の据え方などを
一緒に体験して頂いております。

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