気海(きかい)について

こんにちは、今回は気海についてのお話をさせて頂きます。

気海は任脈の経穴であり、穴下には小腸があり、「男子生気の海、元気の聚
(あつま)る処、生気の源」といわれています。

前回お話した、膻中を「上気海」ともいい、気海と共に気の集まる処と
されています。

 

  

気海は元気の要穴であり、元気を鼓舞し補益する効があり、元気不足の治療に
よく用いられ、「一身の気病を主る」ともいわれ、各種の気病に効果があります。

気海の少し下にある「関元」と共に、生命を維持するうえで重要な意味を持つ
経穴です。また、この2つの経穴を纏めて「丹田(たんでん)」とも呼びます。

昭和初期に名鍼灸師といわれ、活躍された澤田健先生は、気海の主治について
「下焦の原気を満たしめることを主る。其外、腸疾患、虫垂炎、慢性腹膜炎、
腎臓疾患、膀胱疾患、神経衰弱、夢精、陰萎、淋疾、夜尿、男女生殖器疾患、
不妊症、子宮筋腫、腰痛、脚部冷感等応用無限である」「三焦のうち最も大切な
穴は、膻中と中脘と気海の三穴である。この三穴が三焦の中点となるからである。
上焦は膻中にかかり、中焦は中脘にかかり、下焦は気海にかかる」と述べています。

 

ここで三焦についての説明を少しさせて頂きます。
三焦とは特定の器官を指すのではなく、上焦(心・肺)、中焦(脾・胃)、下焦
(肝・腎・大腸・小腸・膀胱・胆)に分かれた三部分の、各焦にある臓腑機能を
統括して、水液や特に元気を中心とした諸気を運行させる通路であり、この他
三焦は気化(生体内物質を生成したり変化させる作用)の行われる場所であると
されています。

三焦の働きとしては、体温調節作用、気・血・津液(人体中の正常な水液の総称
で、その中には唾液、胃液、涙、汗なども含まれます)の調整作用、輸瀉(不用の
物をあまねく排泄すること)作用があげられます。

経穴の位置は、おへその真下に示指と中指を合わせ、指2本分の幅下がった処に
なります。

せんねん灸なら、ピリピリと熱く感じるまで2,3個据えて下さい。
不眠、虚弱体質、生理痛、生理不順、下痢、便秘、腹痛などにも効果があります。

当院では、お灸の良さを一人でも多くの方に知って頂くため、「お灸教室」を
定期的に開催しております。

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