養生灸について④

こんにちは、今回は神闕(しんけつ)と隔物灸についてお話させて頂きます。

東洋医学では、健康とは「気血」が過不足せず、しかも滞ることなく人体を流れ
ている状態をいいますが、それには「五臓六腑」の機能がよい状態に維持されて
いることが必要です。

その臓腑の機能を調整する経穴が「神闕」です。
この経穴はおへその孔を指しますが、物の尺度で測れない不可思議な存在を「神」
といい、「闕」は重要なところを指します。

つまり「神闕」は計り知れない効果のある重要な経穴ということで、古来から
「養生」に用いられてきました。

 

神闕は任脈と呼ばれる経脈の中の経穴で、任脈は腹部正中を通っており、
「陰脈の海」ともいわれ、諸陰経を統括する作用があります。

また任は「妊」に通じており、任脈は胞中(子宮)から起こり、妊娠と関係が
あることから「任は胞胎を主る」といわれています。

 

神闕は古来から、鍼を禁じられた経穴とされており、そのため治療にはお灸を
用いますが、お灸も直ではなく隔物灸といわれるもので、スライスした生姜や
ニンニク、塩などを神闕の上に乗せ、その上に指頭大の艾を乗せてお灸をする
ものです。

神闕を温めるとお腹の奥まで温まるので、冷えによる下痢や腹痛によく効き
ます。更に体の中心を温めることで、体の働きが全体的によくなり、元気な体を
作ることができます。

生姜灸は気血を通じさせて湿邪を取ります。肩こりや腰痛、膝関節痛など日本の
湿邪による着痺(雨や雪などの湿気の多い時期に関節のだるさや痛みを感じる症状
を指します)にはうってつけの手法です。痛みの局所である腰や膝の部分に直接、
生姜灸を据えていきます。また弁証に基づいて選穴した背部兪穴等に用いることが
できます。生姜灸はこりや痛みの他、下痢、冷え性、不妊、不育、習慣性流産、
自律神経失調症などにも効果があります。

当院では生姜灸の他、箱灸や棒灸による施術も行っております。
箱灸や棒灸は火傷の心配がなく、じんわりと体の芯まで温めることができます。

神闕を温めることにより血流がよくなり、自己免疫力や自然治癒力の向上が期待
され、慢性疾患や体質改善にも効果があります。

カウンセリングは無料で行っております。
お気軽にお問合せ下さい。

また「お灸教室」も随時開催していますので、合わせてお問合せ下さい。

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