身柱(しんちゅう)について

こんにちは、今回は身柱という経穴についてのお話をさせて頂きます。

「身」は身体、体幹、「柱」は支えるものを指す。この経穴は両肺、肩甲骨の
真ん中に位置し、肩甲骨の加重を支えているので、この名がついた(まんが経穴
入門・医道の日本社刊より引用させて頂きました)。

 

経穴の位置は、「第三・第四胸椎棘突起間に取る」とされていますが、簡便な
探し方としては、「飛び出た首の骨(第七頸椎棘突起)から、その人の指四本分
下の窪み」とされています。

  

身柱は督脈上にある経穴で、督脈はその高さの臓腑の状態を表現しており、全身の
機能を調整する大事な経穴が、督脈上には存在しています。

入江靖二先生の灸療夜話・緑書房刊には、「来院患者のほとんどに身柱穴の経穴
反応は顕著に感触されるもので、まして、ホルモンのアンバランスをおこした更年期
障害と診断された婦人に経穴反応のないことはない筈である。身柱という穴は、
「チリ気」即、赤ん坊、幼児の要穴とは限らない。婦人病の要穴であると思うが、
いらいら症候群(自律神経失調症など)だけの治穴とは思わないにしても、枢要の
主治穴であることには違いないと思っている」と、いろいろな身体の不調時に
身柱穴に反応が現れ、また治療穴になる大事な経穴であると述べられています。

 

主治としては、小児病には特効ある経穴とされており、夜泣き、疳の虫、小児
ひきつけ、乳児の吐乳、消化不良、下痢、その他に効果があります。

身柱は別名「チリケ」とも呼ばれ、特に関西地方では「チリケの灸」として小児の
治療穴として有名です。

その他、呼吸器疾患(肺炎、喘息、気管支炎、風邪、咳嗽、咽喉炎など)。
神経性諸疾患(神経症、神経衰弱、ヒステリー、癲癇、脳溢血など)や、疲労時に
身柱に施灸すると疲労が早く回復したり、頭の働きを良くする効果があります。

刺激方法としては、せんねん灸や、シャワー療法(42度の温熱シャワーを3分間
ツボを中心にその周囲に当てる方法です)、ドライヤー療法(ドライヤーの温風を
ツボに向けて垂直に当てます。風圧は弱め、心地よい温かさを感じる程度の距離を
置いて、2~3分続けて下さい)などが手軽に安全にできる刺激法です。

当院では定期的に「お灸教室」を開催しております。
お灸によるセルフケアのお手伝いを致します。

次回は6月12日(日)、14時からを予定しています。
お気軽にお問合せ下さい。

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