関元(かんげん)について

こんにちは、今回は関元についてのお話をさせて頂きます。

関元の「関」は関所、重要な場所を指し、「元」は元気を指します。
この経穴は臍下丹田の位置にあり人体の真気、元気が生まれる所で、呼吸の門
でもあるとされています。

全身の臓腑、経絡の根本でもあるので「関元」と呼ばれています。
関元は小腸の募穴で、任脈と足三陰経(肝・脾・腎)との交会穴でもあります。

  

募穴とは、臓腑の気血が胸腹部に集まるところであり、募穴の異常現象は
臓腑の病変を反映していることが多く、足太陽膀胱経に循行する背部兪穴は、
五臓の病変の診断によく用いられ、胸腹部募穴は六腑の病変の診断によく用い
られています。

 

任脈についても少し補足しますと、「任脈には陰経の脈気が集まっており、また
胞胎を主っている。足三陰経はすべて少腹部(下腹部のことで、臍下ともいう)
を循行し、任脈に隷属している。同脈には陰経の脈気が集まり、諸陰の海を為して
いる。任脈と足三陰経とは、中極、関元で交会している。したがって任脈の病は、
下焦の少腹部に生じる場合が多く、また肝・脾・腎の影響によるものが多い。
中極、関元、気海、神闕、水分、中脘などは、全身に対する作用があり、それぞれ
生殖、泌尿、消化および寒性、水液方面の病証を治療するという特徴がある」。
(「臨床経穴学」・東洋学術出版社)より引用させて頂きました。

 

経穴の位置としては、おへその直下3寸(示指から小指までの指4本分を合わせた
幅)にあたります。

主治としては、遺尿、遺精、尿閉、頻尿、帯下、生理痛、生理不順、不妊症、下痢、
便秘、少腹部痛、全身衰弱、腰および下肢の疾患を治療することができます。

治療方法としては、せんねん灸であれば、関元に3個までを限度にピリピリ、
チリチリと熱さを感じるまで据えてみて下さい。1個目の途中でも熱さを感じ
たら、充分効いていますので、我慢しないで外して下さい。

不妊症でお悩みで、もしおへそから下腹部にかけて押してみて、非常に硬いと
感じたら、石門(おへその直下2寸)と関元を一緒に刺激してみて下さい。
下腹部が柔らかくなると、妊娠する可能性が高くなってきます。

手足の冷えや、女性特有の症状でお悩みでしたら、お灸によるセルフケアを
お勧めします。

当院では「お灸教室」を定期的に開催しています。
ツボの取り方や、安全で効果的なお灸の据え方、お灸を据える前後での体の
変化などを一緒に体験して頂いております。

生活の質を高めるためにも、お灸によるセルフケアをお試し下さい。

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