経穴(けいけつ・ツボ)について②

こんにちは、今回も経穴についてのお話をさせて頂きます。

十四経脈(十二経脈と任脈・督脈のことです)の経穴のなかで、特別顕著な治療
作用を持っている経穴を特定穴(要穴)といいます。

特定穴には五兪穴、原穴、絡穴、郄穴、背兪穴、募穴、八会穴、下合穴、八脈交会
穴、交会穴と呼ばれるものがあります。

 

  

五兪穴(ごゆけつ)とは十二経脈に属する四肢の肘・膝以下の末梢部位で、手足の
指先から肘・膝関節に向かって、井(せい)・栄(えい)・兪(ゆ)・経(けい)
合(ごう)の順に並んでおり、これらを五兪穴と呼びます。

古代中国では、経脈の運行を自然界の水の流れに例え、経気は小から大へ、浅から
深に入り、経気運行の過程で経過する部位の深浅の違いで、その作用も異なると
見なしました。

経気の出るところは、水の流れの源のようなもので井穴は経脈の出る所で、「井は
心下満(しんかまん)を主る」とされ、「心下満」とは心窩部(みぞおちのこと)
の痞え、息苦しい、食欲不振などの症状を指します。

経気の流れ行くところは、出始めた泉水のように流れもまだわずかで、「流れる
ところは栄となし、身熱を主る」とされ、「身熱」とは身体から熱が抜けない、
あるいは温まらないなど、体温に関するトラブルを指します。

経気の注ぐところは、水が深いところへ灌注するようなもので「注するところは
兪となし体重節痛(たいじゅうせっつう)を主る」とされ、「体重節痛」とは
体中がだるくて、節々が痛むことを指します。

経気の経過するところは水流が伸びやかに流れゆくように、「行くところは経と
なし、喘咳寒熱を主る」とされ、「喘咳(ぜんがい)寒熱」とは、咳が止まらない、
体温が上がったり下がったりすることを指し、総ての呼吸器疾患(喘息、呼吸困難、
咳嗽等)をいいます。

経気が最後に合流し深入するところは、大河の水が海に流れ込むように「入する
ところは合となし、逆気して泄するを主る」とされ、「逆気して泄する」とは、
気が上衝してのぼせて、汗や二便(大・小便のことです)が出過ぎたり、出なかった
りすることです。
「主る」とは、これらの症状を主治することを意味しています。

 

病的と判断された経脈上を丁寧に切診(せっしん:指頭・指腹、手掌の触覚を通じ
て病態を診察する方法で脈診、腹診、切経に分けられます)し、経脈上の要穴など
で圧痛・硬結の強いツボに取穴したり、その経脈上の反応点に取穴し治療を施すことで
症状を取ることができます。

 

治療後に限局して症状が残っていれば、そこに治療を施すことで更に症状を
軽減することができます。

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