特定穴(要穴)について③

こんにちは、今回は特定穴の中の八会穴、下合穴、八脈交会穴、交会穴について
お話させて頂きます。

「八会穴(はちえけつ)」とは、人体の臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄等の八種の
組織の精気が経脈上で聚会(しゅうえ:集まること)するところです。
これは、8つの経穴の主治特性により命名されたもので、この場合の「会」とは、
交会穴ではなく、一穴が臓または腑・筋・骨などの病を統治することを指して
います。臨床上は、八会穴は上記八種の人体組織と関係した病変を治療する際に
常用されます。

例えば、五臓の病変には臓会である章門が、筋の病には筋会である陽陵泉が統治
するといった具合に、各々八種の組織に対応した経穴を治療に用いていきます。

 

  

「下合穴(しもごうけつ)」とは、手三陽の経気が足三陽に合する経穴のことを
いいます。下合穴は六腑の経気が会合する所なので、六腑の疾患はその反応を
下合穴に現すことが多いため、下合穴が六腑の病気に対して多用されてきました。

特に下合穴は六腑の実証にたいへん有効な経穴で、熱(炎症)を取る働きがあり、
熱などの炎症があるときに有効です。

例えば急性腸炎、急性虫垂炎などを治療するときは、大腸の下合穴である「上巨虚
(じょうこきょ)」を用いると消炎鎮痛、下痢止めの効果が得られます。

 

「八脈交会穴」とは、十二経脈が四肢部に於いて奇経八脈と交会する穴位をいい
ます。「奇経八脈」については次回お話させて頂きます。

八脈交会穴は奇経八脈と十二経脈とが交わるところなので、各穴の所属する経脈と
臓腑の疾病を治療する他に、それと交わる奇経の疾病および各組の交会穴の経過する
組織器官の疾病おも治療することができます。

八脈交会穴は4組の上下配穴としてよく用いられ、本経の病証と奇経八脈の病証を
主治することができます。

例えば内関と公孫の配穴は、心・胸・胃に交わるため、心・胸・胃疾患を治療する
ことができます。

 

「交会穴」とは、二本もしくは二本以上の経脈が互いに交わり合う経穴のことを
いいます。その経穴が所属する経脈を本経、交叉する経脈を隣経といいます。

数本の経脈が交叉している交会穴では、所属する経脈の疾病だけでなく、隣経の
疾患の治療にも関連し、交会穴がその治療範囲の拡がりと繋がりを示しています。

例えば「三陰交」では、下肢の3本の陰経が交わり、本経である脾経の疾病だけで
なく、肝経、腎経の疾患も治療することができます。

また三陰交は任脈の「中極」、「関元」でも交会しているため、下腹部の疾病の
治療にも応用できます。

このように、経絡と経穴は互いに関連しあい治療効果を高めています。
次回は「奇経八脈」について少しお話させて頂きます。

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