特定穴(要穴)について

こんにちは、今回も引き続き特定穴についてのお話をさせて頂きます。

十四経脈の経穴のなかで、特別顕著な治療作用を持っている経穴を特定穴(要穴)
といい、特定穴には五兪穴、原穴、絡穴、郄穴、背兪穴、募穴、八会穴、下合穴、
八脈交会穴、交会穴などがあります。前回は五兪穴についてのお話をさせて頂きました
ので、今回は原穴、絡穴、郄穴についてお話させて頂きます。

 

「原穴」とは、臓腑の原気が経脈に注ぎ、止まる所で臓腑の疾病の診断と治療に
著明な特異作用を持ち、手関節と足関節の周囲に分布しています。

  

「原」は本源、原気の意味で、原穴とは人体の原気が集まる所のため、臓腑に
病変があれば、往々にして原穴に反応が現れます。
十二原穴は臓腑の病変に対し良好な治療作用を持っているため、臨床上、原穴を
用いて臓腑の疾病を治療することが行われ、循経取穴法(遠位にある病所を、その
上をめぐっている経脈のツボに刺鍼することによって治療する方法です)に於いて
常に選穴の対象となります。

 

「絡穴」は、陰経と陽経との間を、その表裏関係でつなぐ作用を持っています。
十二経脈にはそれぞれ一本の絡脈があり、さらに身体の前・後・側面に任脈絡、
督脈絡、脾の大絡(脾経には陰陽の十二経を統括して、臓腑四肢を滋養する働き
があり、脾経の最後のツボ・大包から斜行する経脈は広く他の経脈と接すること
からこの名がつけられました)があり、全部で十五絡穴があります。

絡穴は表裏の経脈を連絡する所なので、絡穴の主治の特徴は表裏両経にまたがる
疾病を治療できるところにあります。

臨床では、単独で応用するか、原穴と組み合わせて用いることもでき、この配穴法
を「主客」配穴といい、臓腑の表裏関係にある経脈の病の発生順序にもとづいて
運用する方法で、先にかかった病を「主」として、その原穴を取り、後から引き
続き発生した病を「客」として、絡穴を取って治療する方法です。

 

「郄穴」の「郄」は隙間の意味で、郄は骨と肉の隙間であって、経脈の気血が深く
集まる所で、郄穴は所属する臓腑の急性病と難治性の疾患の治療によく用いられ
ます。郄穴は鍼麻酔に際してもよく使われますが、これは鎮痛効果が比較的高い
ためとされています。

 

このように経穴には特性があり、循経取穴法では、例えば膝関節痛が脾経上に
あれば、痛みのある側の脾経上の原穴の大白、絡穴の公孫、郄穴の地機などから
圧痛・硬結の強い所に取穴すると痛みを軽減することができます。

当院では定期的に「お灸教室」を開催し、一緒に経穴の取り方を学んでいきます。
次回は6月12日(日)の14時から、当院で開催する予定です。
お灸によるセルフケアをお考えでしたら、どなたでもお気軽にお問合せ下さい。

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