ヘソ灸について

こんにちは、今回は「ヘソ灸」についてお話させて頂きます。

おヘソは経穴として使うときは、「神闕(しんけつ)」という名前で呼ばれます。
「神」とは、物の尺度で測れない不可思議な存在をいい、「闕」は重要なところの
意味で、つまり「神闕」は計り知れない効果のある重要な経穴ということで、
古来から「養生」に用いられてきました。

 

「神闕」は禁鍼穴(鍼を刺してはいけない経穴)とされていますので、刺激方法
としては、棒灸や隔物灸(塩灸や生姜灸など)が用いられています。

  

中医学では臍は先天の本、また後天の根源であると認識されており、ヘソ灸は
免疫力を高め、人体の抗病能力と防衛作用を増強することが証明されています。

また「闕」は宮中や門のことを指し、「神闕」とは精神の交通する門という意味も
あります。これは、胎児が母親と臍の緒を通じて栄養分を吸収し、精神も形成
されることに由来していると言われています。

 

その効能としては
消化器系:下痢、便秘、胃下垂、口内炎、食欲不振、消化不良、脱肛、痔など
泌尿器系:頻尿、遺尿、残尿感、膀胱炎、浮腫、夜尿症など
生殖器系:月経痛、月経不順、不妊症、不正出血、前立腺炎など
その他:冷え性、不眠症、自律神経失調症、アレルギー性疾患、慢性疲労、寝汗、
下腹痛、各種神経痛(坐骨神経痛など)、慢性腰痛、膝関節痛、リュウマチ、
蕁麻疹、小児の疳の虫など多岐にわたります。

 

アンチエイジングの効果も期待され、最近では「妊活」でも注目を集めています。
加齢と共にホルモンの分泌が減少し、老化や更年期障害が起こりますが、
ヘソ灸をすることにより、ホルモンの分泌が増加して若返りが期待できます。

ホルモンの分泌量が増えると、まず身体の不調が改善され気分が良くなり、
疲労回復効果や、肌がツルツルになり、皮膚全体のくすみが減少し、代謝も促さ
れるので、肌のターンオーバーも活性化され、ダイエット効果も期待できます。

 

刺激方法としては棒灸でしたら、「神闕」から3~5センチ棒灸を離し、
「神闕」を中心に手のひらほどの円を描くようにして、15分ほど温めます。

塩灸でしたら、天然塩の良いものを1センチくらいの厚さで「神闕」の上にのせ
その上に小指頭ほどの大きさで、底辺を平らにした艾を乗せて、おヘソがじんわりと
熱く感じるまで5~10壮据えます。

生姜灸なら、少し温めた生姜を3~5ミリの厚さにスライスして、それを「神闕」
の上に乗せ、塩灸と同様におヘソがじんわりと熱く感じるまで5~10壮据えます。

当院では、棒灸の他、塩灸、桝おんきゅうでの施術も行っております。
特に桝おんきゅうは14.2×14.2センチの大きさがありますので、お腹全体を
温めることができます。また一回で温熱刺激が余熱まで含めると20分以上
続きますので、身体が温まり、じんわりと汗ばむほどになります。

またセルフケアとして、ご自宅で安全にできる塩灸の方法をご指導致します。
冷え性、下痢、生理痛などでお悩みでしたら、是非ご相談下さい。

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