下痢のお灸治療について

こんにちは、今回は下痢に対するお灸治療についてのお話をさせて頂きます。

下痢には冷え、腸管の運動低下、ストレスなどいろいろな原因があります。
慢性の下痢が続いたり、下痢と便秘を繰り返したりする原因の一つは、緊張や
ストレスが続いて自律神経が乱れ、腸の働きが鈍るために起こります。
このような神経性の症状には、経穴への刺激が最適です。

 

キュルキュルと腸が締め付けられるようなときは、腸管の蠕動運動(腸が食物を
送り出そうとする動き)が異常に活発化している証拠です。
そんなときには、梁丘を刺激して腸管の動きを正常な状態に戻しましょう。

  

梁丘(りょうきゅう)は足陽明胃経に属し郄穴(げきけつ:急性症状の際に反応が
著明な要穴の一つで、十二経、奇経中にそれぞれ存在しています。郄には間隙の意味
があり、骨肉の間と解され、気血の深く集まるところ、経絡の変動が強く現れるところ
とされ、臓腑経絡の機能失調のときに、圧痛や異常現象として四肢に現れる部位を指し、
多くは急性、特に疼痛緩和に用いられています)の一つです。

経穴の位置は、膝蓋骨の外上角の上2寸(示指・中指・薬指を合わせた指3本分の
幅となります)で、大腿直筋と腸脛骨靭帯の間とされていますが、このあたりで圧痛や
硬結などを探して下さい。左右2穴あります。

主治としては、「腹痛、胃痙攣、虫垂炎などすべての腹痛の特効穴であり、下痢止め
の名穴、膝関節痛に著効」とされています。
私もまず、下痢をしたら梁丘にお灸を据えています。据えているとお腹が温まってくるのが
感じられてきて下痢が止まります。

皆さんがご自宅でお灸を据える場合は、せんねん灸などの隔物灸が良いでしょう。
据えかたとしては、熱さを感じるまで同じ場所に2壮、3壮とお灸を据えていきます。
但し、1壮目の途中でも熱さを感じたら、すぐに取り去って下さい。我慢していると
火傷の原因になってしまいます。くれぐれもご注意下さい。

 

更に下痢止めのお灸として有名なのに、澤田流裏内庭がありますが、この経穴について
は専門的な据えかたが必要になりますので、下痢でお困りで梁丘のお灸でも下痢が止まら
ない場合は、お近くの鍼灸治療院にご相談下さい。

また、おヘソへの塩灸も効果的です。治療後には腹部がポカポカして気持ち良くなり、
下痢も止まります。

当院ではお灸によるセルフケアをお勧めしています。
定期的に「お灸教室」を開催し、経穴の取り方や安全で効果的なお灸の据えかた、お灸を
据えた前後での身体の変化などを一緒に体験して頂いております。

次回は9月11日(日)、14時から当院で開催予定です。
お灸によるセルフケアに興味のある方のご参加をお待ちしております。
お気軽にお問合せ下さい。

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