更年期障害の鍼灸治療について

こんにちは、今回は更年期障害の鍼灸治療についてのお話をさせて頂きます。

更年期とは、卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少し、月経不順から無月経となる
時期を指します。更年期の症状は実に多彩で、従来「不定愁訴」と呼ばれたもので、
これらは、卵巣からエストロゲンの分泌が閉経期に著しく低下することによる
エストロゲンの不足から起こるとされています。

 

症状としては、自律神経の失調を中心にしたもので、
・血管運動神経障害として:冷え、ほてり、のぼせ、発汗、寝汗、動悸など
・精神神経障害として:頭痛、頭重、めまい、耳鳴り、不眠、憂鬱、焦燥感、健忘など
・運動器系障害として:肩こり、腰痛、関節痛、疲労感、脱力感、震えなど
・知覚障害として:知覚過敏あるいは鈍麻、痺れ感、蟻走感、掻痒感など
・消化器系障害として:悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘、食欲不振、腹部膨満感など
・泌尿生殖器障害として:下腹痛、頻尿、尿漏れ、性交痛など

  

これらは複数の症状が混合して出現したり、症状には移動性があり、日により時間
により変動する傾向がみられます。喜怒哀楽の感情によっても変化します。
その他、更年期は急激に女性ホルモンが減少するため、数年の間に骨密度の減少を
見ることがあり、骨粗鬆症のリスクが高くなるため、更年期前後には1~2年に
一回、骨密度の検査をする必要があるとされています。

 

鍼灸治療の治療期間としては、3~6か月を目標に開始し、治療により自律神経の
調整を図ると共に、個々の症状に対応した治療を行っていきます。

当院では、YNSAでの治療をメインに行い、必要に応じてビワの葉温灸、棒灸、箱灸
などを加えていきます。
YNSAは肘診(肘関節の周り)と首診(胸鎖乳突筋の周り)の触診により、反応点を探し
そこに対応した頭の治療点に鍼を刺して治療していきます。そのため、衣服を脱ぐ必要
もなく、椅子に座ったまま治療が受けられます。
鍼に抵抗のある方には、細い鍼を使いますので、ほとんど痛みもありません。

 

鍼灸治療院で定期的に治療を受けながら、ご自宅でもお灸によるセルフケアを行うと
更に効果的です。

下腹部では、天枢、大巨、四満など、下肢では血海、足三里、三陰交などに、
せんねん灸のような隔物灸を毎日据えてみて下さい。

天枢(てんすう):おヘソの外、2寸(示・中・薬指の3本分の幅)のあたり。
大巨(だいこ):おヘソの下2寸にある、石門の外2寸のあたりになります。
四満(しまん):石門の外、5分(石門のほんのちょっと外にある反応点)です。
足のツボは何度か説明させて頂いていますので省略致します。

これらのツボに、毎日熱いと感じるまで2壮、3壮とお灸を据えてみて下さい。

当院では定期的に「お灸教室」を開催し、お灸によるセルフケアのお手伝いを
しています。次回は、9月11日(日)、14時から当院で開催致します。

お灸に興味のある方のご参加をお待ちしています。
お気軽にお問合せ下さい。

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