前立腺肥大症の鍼灸治療について

こんにちは、今回は前立腺肥大症の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

前立腺は男性のみに存在し、膀胱の真下にある栗の実ほどの大きさの腺で、その
中央部を一本の尿道と、途中に尿道と合流する左右二本の射精管が貫いています。
前立腺の役割については、まだ解明されていない部分が多く、主な働きとしては
前立腺液の分泌と、精嚢から分泌された精嚢液を精巣で作られた精子と混合して
精液を作り、射精における収縮や尿の排泄なども担っています。

前立腺が肥大する原因はまだハッキリと解明されていませんが、「男性ホルモンの
働き」が関与していることは間違いなく、中高年になって男性ホルモンを含む、
性ホルモンの環境の変化が起こることで、前立腺が肥大すると考えられています。

 

  

前立腺肥大症には第一期から第三期までの症状があります。
第一期(膀胱刺激期)
結節が肥大して後部尿道が刺激され、軽度の昼間や夜間頻尿が現れるほか、
尿がすぐ出ない、時間がかかる、少ししか出ない、尿に勢いがない(排尿障害)
などの症状が出てきますが、まだ残尿は認められません。

第二期(残尿発生期)
頻尿が激しくなって排尿困難が増加し、残尿感を訴えるようになります。
過労、飲酒などによって排尿不能に陥り、激烈な苦痛に襲われることもあります。

第三期(慢性尿閉期)
残尿が300~400ml以上になりますが、膀胱の緊張力が低下するため、苦痛を示さなく
なります。腎機能が障害され、口渇、夜間尿量増加を訴え、最後には膀胱筋層の
緊張を失い排尿が不能となり、残尿が500~600ml以上になると奇異性尿失禁(尿閉で
膀胱内圧が上がると失禁、尿量が減少すれば尿閉)となります。
最後には全身状態が侵され、皮膚は乾燥して脱水状態となり、ついには腎不全に陥り
死の転帰をとるとされています。

 

鍼灸治療は第一期に行うのが最も良く、第二期のものでも排尿が容易になり、
頻尿を減少させる場合がありますが、第二期以上では専門医への受診が必要です。

鍼灸治療では、お灸単独よりも鍼治療も併用した方が効果的です。
定期的に鍼灸治療院で治療を受けながら、セルフケアとしては下半身を冷やさない
ようにして、骨盤内の血液循環を常に良い状態に保つために、腰仙部、下腹部、下肢に
お灸を据えると良いでしょう。また、排尿を我慢しないことや、適度な運動も大切です。

夜間頻尿を恐れて、水分摂取を控えると脱水状態になり腎機能障害を起こすことが
あるため、水分を十分に摂ることも大切です。

当院ではでは定期的に「お灸教室」を開催しています。

次回は11月13日(日)、14時から当院で開催致します。
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