尿失禁について

こんにちは、今回は尿失禁についてのお話をさせて頂きます。

骨盤の底で膀胱や子宮が下がらないように支えている筋肉群を、骨盤底筋と言います。
出産経験者の多くは、出産時に受けた骨盤底筋のダメージによって、多少なりとも
尿漏れを経験していると言います。また加齢や肥満、便秘などによっても骨盤底筋は
衰えやすく、笑ったり、咳やくしゃみをした時や、重い物を持った瞬間に尿が漏れて
しまうケースが少なくありません。

 

尿失禁の女性患者へのケアとして、1940年代にアメリカの医師ケーゲルによって
開発されたケーゲル体操(骨盤底筋体操とも言います)は尿失禁の改善の他、子宮脱、
直腸脱、膣脱などの改善、膣の筋肉を自分でコントロールできるようになることによる
スムーズな出産、姿勢を整えて下腹部に脂肪をつきにくくするダイエット効果、膣圧
向上による性的満足度の向上などの効果があげられています。

  

ケーゲル体操には、仰向けや座った姿勢で行うもの、肘や膝をついた姿勢で行うもの、
机にもたれた姿勢で行うものなど幾つかありますが、今回は最もリラックスしやすい
仰向けで行うケーゲル体操をご紹介します。

①まず仰向けに寝て、足を肩幅に開き、両膝を立てます。
②身体の力を抜き、お腹の力も抜きます。
③肛門と膣を締め、息を吸いながら肛門と膣を胃の方に吸い上げるような感じで
締めたまま、ゆっくり「1、2、3」と5つ数え力を抜きます。
これを5回行います。
④次に肛門と膣を速いテンポで締めたり、緩めたりします。
以上を5回を1セットとして、一日に5回行います。

 

排尿の異常には、尿失禁だけでなく、頻尿、尿が出づらい、残尿感がある、何時も
トイレに行きたいような違和感、蓄尿時や排尿時の痛み、神経障害による尿意の鈍麻
など、様々な症状があります。

鍼灸治療では、尿失禁と頻尿は同じツボを使って治療が行えます。
下腹部と腰仙部に箱灸や棒灸、あるいは直接灸などの灸治を行うと大変効果があります。

定期的に鍼灸治療院で治療を受けながら、ご自分でも毎日ケアを行うことで、比較的
早期に改善がみられることでしょう。

ご自分で行う場合は、下腹部と腰仙部をドライヤーで温めたり、使い捨てカイロを
使ったり、せんねん灸で温めるのも効果的です。

いずれにしても、足腰を冷やし過ぎないようにすることが大切です。
当院ではお灸によるセルフケアのお手伝いをしております。

定期的に「お灸教室」を開催し、ツボの取り方、お灸の据え方、お灸を据えた前後での
身体の変化などを一緒に体験して頂いております。

お灸によるセルフケアをお考えでしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

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