膀胱炎の鍼灸治療について

こんにちは、今回は膀胱炎の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

膀胱炎は、尿路に基礎疾患のないものを単純性、あるものを複雑性と
呼び、さらに臨床経過から急性と慢性に分類されます。

女性では尿道口と肛門が近く、また女性の尿道は約2㎝前後と短いため、
尿道口からの感染がすぐに膀胱にまで達してしまいます。

 

  

単純性膀胱炎は女性および幼児に発症しやすく、症状としては排尿時痛、
頻尿、残尿感、下腹部痛があげられ、排尿終末時の血尿や切迫性尿失禁を伴う
こともあります。過度に尿意を我慢したり、疲労、足腰の冷えなどが誘因として
考えられます。

 

複雑性膀胱炎は、小児と高齢者に好発するとされています。
膀胱腫瘍、糖尿病による神経性膀胱、子宮癌手術後の膀胱機能障害、腎結石、
膀胱結石などが原因となることもあります。

排尿時不快感や下腹部痛など一般に症状は軽いのですが、尿混濁(膿尿、細菌尿)
が認められます。

 

更年期以降に膀胱炎症状を訴え、抗生剤の投与を繰り返しながらスッキリしない
場合には、鍼灸治療が大変有効です。

鍼灸治療院で治療を受けながら、毎日ご自宅でセルフケアを併用すると更に
効果的です。

医師で東洋医学(鍼灸、漢方)を現代医学と併用しながら診療されている、
西田晧一先生は「治療法は簡単で安全で即効性がある方法がよい。陽池の施灸が
即効性と簡便性に優れていると思われる」と、陽池への施灸を推奨されています。

「陽池は手根背側の横紋の真ん中にある。尺骨茎状突起の下端と同じ高さに取穴する。
治療は直接灸を毎日一回、両側に3~5壮連続して一週間施灸する。施灸すると直後に
排尿痛や尿道の痛みなどに何らかの効果がある。症状の激しいときには朝夕施灸し、
症状が治まったら一日一回にする」(東洋医学見聞録・下巻 医道の日本社より)。

直接灸に抵抗があれば、せんねん灸を熱さを感じるまで据えてもよいでしょう。

中極(ちゅうきょく:任脈上にある膀胱経の募穴です)は、膀胱と細菌の進入路
である尿道の抵抗力を高めてくれます。
中極と尾てい骨のあたりを、ドライヤーで2,3分ずつ温めるのも効果的です。

中極は体の正面で、恥骨結合から母指一本分の幅上のあたりの圧痛を探します。

膀胱炎の予防には、疲れを溜めないことと、足腰を冷やさないことが大切です。
当院ではお灸によるセルフケアのお手伝いをしています。

定期的に「お灸教室」を開催していますので、お気軽にお問合せ下さい。

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