前立腺炎の鍼灸治療について

こんにちは、今回は前立腺炎の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

前立腺炎とは、前立腺が大腸菌などの細菌に感染して炎症を起こした状態、または
性行為による感染症があり、急性前立腺炎、慢性前立腺炎、慢性非細菌性前立腺炎、
無症候性炎症性前立腺炎の4つに分類されます。

感染経路としては、尿道から細菌が逆行して前立腺に侵入する「逆行性感染」と、
血管やリンパ管経由で前立腺に侵入する「経脈管性感染」等があります。

 

  

急性前立腺炎は、高熱、会陰部や下腹部、陰嚢部などに鈍痛や不快感を感じるのが
特徴で、頻尿、排尿時痛、残尿感などがみられます。

慢性前立腺炎は若い世代、特に30~40歳代に多く下半身に様々な症状が現れます。
排尿症状:頻尿、排尿痛、残尿感、排尿後尿が漏れてくる、尿道の違和感など
腹部症状:下腹部、足の付け根、会陰部の鈍痛・違和感・不快感など
その他:睾丸の鈍痛や不快感、陰嚢の痛み、下肢の違和感・痺れ感など
また、勃起障害(ED)の原因になることもあります。

要因としては、長時間のデスクワークや自動車の運転、自転車・バイク(特にスポーツ
タイプ)などによる、前立腺の機械的刺激が大きな要因となります。
疲労、ストレス、飲酒、冷えなどによる体の抵抗力低下もリスクファクターです。

 

治療方法としては、抗菌薬が第一選択とされることが多いですが、決定的な治療方法は
確立されておらず、前立腺炎は慢性化しやすいため症状の軽減には長い時間が必要です。
このため患者さんによっては、不安感が強くなり次々に医療機関を変えて受診を繰り返す
こともあるようです。

 

慢性前立腺炎にも鍼灸治療は効果があり、慢性化しているため即効性はありませんが、
治療の度に症状が軽減していくのを患者さんに自覚して頂けます。
慢性化した例では排尿痛は鈍痛程度ですが、持続する会陰部や下腹部の不快感・鈍痛、
腰部鈍痛を伴い、それが四六時中続くので、安眠を妨げたり、集中力を失うこともあります。
特に疲れたときや多飲したときに憎悪する傾向があり、鍼灸治療はこのような不快感を
取り去ることができます。

定期的に鍼灸治療院で治療を受けながら、日常生活でも長時間の座位を避けて体を動かしたり、
過度の飲酒を避ける、疲れやストレスを貯めないようにする。また、下半身を冷やさないように
することも大切ですので、セルフケアとして毎日お灸を据えるのもお勧めです。

当院ではお灸によるセルフケアのお手伝いをしております。
お灸は治療効果も高く、リラックス効果もあります。自分の体は自分でケアしていくことが
大切です。

定期的に「お灸教室」を開催しています。
お気軽にお問い合わせ下さい。

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