月経不順の鍼灸治療について

こんにちは、今回は月経不順の鍼灸治療についてのお話をさせて頂きます。

正常な月経とは、通常28~30日間ぐらいで約一週間の性器出血をみるものですが、
月経周期(月経が始まった日から、次の月経が始まる前日までの長さ)には個人差が
大きく、25~38日周期の間であれば正常範囲と考えられ、一人の女性の月経周期にも
数日のズレが起こりうるとされ、数日のズレなら様子をみても良いようです。
期間は3~7日、経血量は20~140g、経血の質は暗赤色で血塊が混じらない、
月経時随伴症状は無いか、あっても日常生活を障害しない程度の腹痛、頭痛、腰痛、
イライラなどとされています。

これらの範囲から外れたものを月経異常と言い、治療の対象となります。
月経異常の種類としては
①周期の異常:月経不順、頻発月経、希発月経、
②期間の異常:過短月経、過長月経、
③経血量や質の異常:過少月経、過多月経、
④随伴症状の異常:月経前症候群、月経困難症があります。

 

  

月経不順とは、月経周期が24日以内に早まったり、39日以上に遅れたり、また
7日以上の変動が続くといった一定の周期に安定しない状態を言います。

婦人科領域の疾患には、鍼灸治療が有効な場合が多く、月経にまつわる月経困難、
月経不順、月経過多、無月経、月経痛、または子宮筋腫や不妊症、子宮脱、子宮下垂
などにも治療効果があります。

 

昭和の名灸師と言われた深谷伊三郎先生は、「月経不順、月経過多、月経過少、
月経痛、帯下、子宮内膜症といったような婦人特有の病気は、骨盤内の血行不良が
第一の原因であります。(中略)腰が冷えているのは腰部に血行不良があるからで、
そのために月経不順になったりするのです。灸をすえると骨盤内の血行がよくなって、
腰の中が温まってきて、いろいろな症状はきれいに治り、元気が出て顔色までよく
なってきます」(お灸療法の実際・緑書房より抜粋)と述べており、腰・腹部・
下肢のツボへの施灸を推奨されています。

婦人科領域の疾患の多くは、腰を含め下半身の冷えが原因となることが多いため、
日頃のセルフケアとしては、腹巻や使い捨てカイロの利用や、浴槽にゆったりと浸かって
全身を温めることも大切です。

当院ではお灸によるセルフケアのお手伝いをしております。
定期的に「お灸教室」を開催し、ツボの取り方や、施灸前後での身体の変化などを
一緒に体験して頂いております。

次回は11月13日(日)14時からを予定しております。お気軽にお問合せ下さい。

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