梅核気の鍼灸治療について

こんにちは、今回は梅核気(ばいかくき)の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

風邪を引いたわけでもないのに、何か喉に詰まっている感じがして気になる、
多くは唾などを飲み込んだ時に、喉がつかえるような異物感を覚える症状ですが、
食事や水などが喉を通る時にはそういった感覚はないのに、常に喉がゴロゴロする
感じがあり、何か詰まっているような異物感がずっとあります。男性の場合は、
喉仏付近に違和感が継続的にあります。痛くも痒くもないのに、何か気になるので
無意識に喉を触ってしまうことがあります。

  

気になって耳鼻咽喉科で診察してもらっても、咽頭や喉に異常が見つからない
場合、「咽喉頭異常症」と診断されます。内科ではこれを「ヒステリー球」と
呼びます。西洋医学ではストレスやアレルギー、女性ホルモンが関与していると
考えられ、「自律神経の乱れから来るもの」とされてしまうことも多いようです。
また、更年期前後の女性にこの病証が起こりやすいとされています。

 

精神的な不満や葛藤があるとき、喉に何か詰まるような閉塞感を自覚するとき、
東洋医学では「梅核気」と呼び、梅の種(梅核)が喉のあたりに詰まっているような
感じがすることから付けられた名称です。

患者さんによって感じ方が異なりますが、以下のような症状を訴えるようです。
喉に何か詰まっている感じ、喉に何か引っかかっている感じ、喉に塊がある感じ、
喉が塞がる感じ、喉の奥が腫れている感じ、喉がイガイガする、胸が痞える感じ、
などと表現されることが多いようです。

本症は男性よりも女性に圧倒的に多く発症し、心の優しい内向的な性格で、他人を
傷付けずに何時も我慢してしまうタイプの人に多いようです。
性格との関連性が指摘されていますので、一時的によくなっても不満やストレスを
引き金に、しばしば再発する傾向があります。

 

精神的なストレスを抱えている人は、大なり小なり喉の違和感を持っていることが
多いため、治療者側から喉の違和感を尋ねることも大切です。もし喉に違和感があれば
その治療も加えることで、他の愁訴も改善することが多いようです。

梅核気の治療では主に任脈と腎経、肝経のツボを用います。
任脈では、天突(てんとつ)・膻中(だんちゅう)・気海(きかい)など
腎経では、太谿(たいけい)・照海(しょうかい)など
肝経では太衝(たいしょう)など
また、後頚部や背部の治療も大切になります。

これらのツボを基本として、その他の不随症状に応じたツボにも刺鍼していく
と効果的です。

いずれにしても梅核気はストレスが原因となりますので、再発を防ぐためにも
ストレスを貯めないセルフケアが大切です。

定期的に鍼灸治療を受けながら、ご自宅でお灸によるセルフケアをお勧めします。
当院ではお灸によるセルフケアのお手伝いをしております。お灸だけでなく指圧の
仕方や運動療法のご指導なども致します。

お気軽にお問合せ下さい。

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