めまいの鍼灸治療について

こんにちは、今回はめまいの鍼灸治療についてお話させて頂きます。

めまいには回転性、動揺性、立ちくらみ、眼前暗黒感など様々な種類があります。
一般的に回転性めまいは内耳をはじめとする末梢前庭障害で出現することが多く、
動揺性あるいは浮動性のめまいは中枢前庭障害(主に脳幹および小脳の障害)で
生ずることが多いとされています。

 

代表的なめまい疾患としては、メニエール病があげられます。
メニエール病は、めまい・耳鳴り・難聴を3主徴とする代表的な内耳疾患の一つです。

  

何の誘因もなく突然回転性のめまいが起こり、めまいと同時に、あるいはめまいの
少し前から、片耳に耳鳴りや耳の閉塞感、難聴が起こります。
めまいを繰り返す間隔は人によって違い、数日、数週間、数か月、あるいは一年に一回
などさまざまです。

激しいめまいは、普通30分くらいから数時間続き、めまいの軽快と共に耳鳴りや、
耳の閉塞感、難聴は軽くなったり消失したりします。
めまいが激しい時は、これらの症状以外にも動悸、吐き気、嘔吐などが起こり、かえって
こちらのほうが苦しいこともしばしばです。初期のメニエール病では発作間欠期には耳鳴り、
耳の閉塞感、難聴も完全に消失しますが、病期が進むと発作間欠期にも耳鳴りが残ったり、
難聴になってしまうこともあります。

メニエール病の好発年齢は30~50歳であり、女性にやや多い傾向があり、通常は
一側性ですが、両側性が約10~30%に認められるとされています。
メニエール病の原因としては、内リンパ水腫(内耳を満たしている内リンパ液が過剰に
なった状態)が考えられていますが、この内リンパ水腫が何故起こるのかについては不明
です。メニエール病は現代病の一つであり、年々増加する傾向にあります。先進国に生活
する人に多く、発展途上国の人には少ないことから、ストレスがこの病気の発症に関係して
いると言われています。

発作が起きたら慌てずに、ゆっくりした気分になるよう身体を横たえるなど、一番楽な
姿勢で安静にして落ち着くまで待ちましょう。冷たい濡れタオルなどで目を覆って冷やすと
楽になることもあります。

メニエール病の治療としては、その病態である内リンパ水腫の改善を主な目的とする
ために、循環改善剤や自律神経調整剤などに加えて、利尿剤や副腎皮質ホルモンなどが
用いられます。

メニエール病以外にもめまいを訴える疾患として、発作性頭位性めまい症、突発性
難聴、中枢性めまいなど代表的なものだけでもこれだけあります。
耳鼻科領域からくる「めまい」は治療の時期を逃すと難聴になってしまうこともあります。
何時もの「めまい」とは違うとか、他にも症状があると感じたら早めに耳鼻咽喉科を受診
して異常が無いことを確かめておきましょう。

 

東洋医学ではめまいのことを「眩暈(げんうん)」と呼んでいます。
目が霞んで目の前が暗くなるのを「眩」と言い、グルグル物が回って見えたり、物が揺れ
動いて見えるものを「暈」と言い、この2つはよく同時に現れるので「眩暈」と称して
います。

鍼灸治療はメニエール病や内耳性の眩暈に治療効果を発揮します。

内科医で鍼灸・漢方を現代医学と併用して診療されている西田晧一先生は「他に合併症
がない眩暈には、申脈(しんみゃく)と百会(ひゃくえ)はファースト・チョイス」と
推奨されています。(医道の日本社・東洋医学見聞録下巻より)。

申脈は足太陽膀胱経のツボで、足の外くるぶしの下の陥凹した圧痛点に取穴します。
セルフケアとしては、両方の申脈にせんねん灸を熱が通るまで幾つか据えると良いでしょう。

百会は頭頂部にあり、、両耳の尖端を結ぶ線と正中線が交わる処で圧痛を探しますが、
頭髪があるので、ご自分では指圧か棒灸をされると良いでしょう。

鍼灸治療院で定期的に治療を受けながら、ご自宅でも毎日セルフケアをしていくと良い
と思います。

当院ではツボの取り方、お灸の据え方、運動療法、指圧の仕方などセルフケアの
方法などもご指導しております。

お気軽にお問合せ下さい。

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