耳鳴り・難聴の鍼灸治療について

こんにちは、今回は「耳鳴り・難聴」の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

耳鳴りがする人の大半は、自覚がなくても聴力検査をしてみると、その80%以上に
難聴の症状がみられると言います。

耳は外側から外耳・中耳・内耳という3つの部分で構成されています。
外耳で集められた音(空気の振動)は、中耳で増幅されて内耳へと伝わり、内耳の
蝸牛(かぎゅう)という器官で電気信号に変換されます。そして、この電気信号が
聴神経を通って脳に伝わることで音を認識できるのです。

  

空気の振動を電気信号に変えているのは、蝸牛の中にある「感覚細胞」ですが、
この感覚細胞に障害が起きると、音が無いのに電気信号が発せられ、それと同時に
聞こえも悪くなります。この感覚細胞のトラブルが、耳鳴りにも大きく関わっていると
考えられています。

 

耳鳴りとは「外界からの音刺激がないのに、耳の中に音が感じられること」と定義
されていますが、正常な人でも防音室に入ると94%の人が耳鳴りを感じるという報告が
あることから、ほとんどの人に耳鳴りがあると言われています。

日常では雑音により相殺されていることからほとんど感じられなくなり、病的な
耳鳴りとは区別されています。

 

耳鳴りには「キーン」や「ピー」という高音のものや、「ザー」、「ジー」といった
低音のものなど色々な聞こえ方がありますが、音の振動の伝わる経路のうち、外耳から
中耳までを「伝音系」、内耳以降を「感音系」と呼んでいます。
一般的に低音の耳鳴りは伝音系の障害であることが多く、高音の耳鳴りは感音系の障害が
多いとされています。

 

聴力が低下すると耳鳴りの起こることがありますが、聴力が低下するというのは、
音が聞こえにくい、言葉が聞き取りにくいような状態を指し、「難聴」と呼ばれます。

難聴の程度は人により様々ですが、検査をすると聞こえにくくなっている音域が
分かります。
高音域が聞こえにくいのは、電話の呼び出し音、音楽の音色やリズムの聞き分けが
出来なくなるといった状態です。
中音域が聞き取りにくいと、人との会話中に何度も聞き返したりすることになります。
低音域が聞き取りにくくなると、耳が詰まったような感じで、耳が塞がれているような
感じになります。

 

難聴も、耳のどの機能に障害が起きたかによって、「伝音難聴」と「感音難聴」に
区別されます。
伝音難聴:外耳や中耳に障害が起きている難聴で、中耳炎などの炎症が起きたり、耳垢が
たまっていることなどで起きます。
感音難聴:内耳に障害が起きている難聴ですが、原因がはっきりしないことが多く、
難聴の中でも予防や完治が難しい病気とされています。

感音難聴を起こす病気としては、老人性難聴、突発性難聴、メニエール病、外リンパ
瘻などがあります。

 

鍼灸治療は「自覚的耳鳴(患者さん本人しか分からない耳鳴りで、耳鳴り全体の90%
以上を占めます)」に効果があります。

当院ではYNSAによる施術を行っていますので、治療点としては側頭部にある「耳鳴
治療点」を使っていますが、鍼が苦手な方には「棒灸」による施術も行っています。

いずれにしても、定期的に鍼灸治療院での施術を受けながら、ご自宅でも毎日
セルフケアを行って行くことが大切です。

当院ではセルフケアのために、ツボの取り方、お灸の据え方、指圧や運動療法
などもご指導しております。お気軽にお問合せく下さい。

このページの先頭へ