肩こりの鍼灸治療について

こんにちは、今回は「肩こり」の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

肩こりは日本人の多くが悩まされている症状です。
中国や欧米では、肩こりという症状自体が一般的ではないそうです。
特に女性は男性に比べて、首や肩の筋肉量が少ないため、長時間のデスクワークなど
での同一姿勢や、これに伴う不良姿勢により筋肉が疲労を起こし、肩こりとなります。

また、猫背やなで肩、日常生活でのストレスや精神的に緊張した状態が続いたり、
眼精疲労による目の疲れ、運動不足、冷え性、更年期障害、歯の噛み合わせなども
肩こりの原因となります。

  

さらに、呼吸器系、循環器系、消化器系の病気での内臓反射もやはり肩に現れると、
肩こりの原因となります。

比較的症状が軽い場合は、使い捨てカイロや蒸しタオルなどで直接肩を温めたり、
ストレッチなどで筋肉をほぐしてやることも有効です。
ただ内臓由来の肩こりもありますので、肩こりの他に動悸、息切れ、のぼせ、胸が締め
付けられるような痛みや、左肩にも痛みが広がる発作が数分続くようなことがあれば、
病院で診察を受けることをお勧めします。

 

中医学では、外界の環境因子が人体に与える影響を非常に重視しています。
気候の変化が異常で人体に影響を与えるようになると、「六淫(ろくいん)」と呼び
ます。六淫とは、人体を障害する六種類の外邪の総称で、風(ふう)・寒・暑・湿・
燥・火(熱)の六つをさし、特に日本の風土は多湿であるため、「肩こりの原因の
大部分を占めるのは、身体の中で代謝されない過剰な水分である『湿邪』であり、
湿邪が経絡をつまらせることで肩がこります」(灸法実践マニュアル 藤井正道先生
著)より引用させて頂きました。

「湿は重い、湿によって起こる症状は反復して再発しやすい、下肢を中心に出現する
むくみは主に湿邪が原因となる病証とされる」などの特徴があります。

「湿邪」が原因の肩こりには、お灸による施術が効果的です。
治療のポイントとしては、肩を覆う大きな筋肉である僧帽筋上に現れる、圧痛・硬結に
お灸を据えていきます。また、精神疲労、ストレス、不安などがあると、肩甲骨の間が
こって苦しくなってくるので、此処も治療のポイントになります。
その他、辛い症状に合わせたツボにお灸を据えていきます。

当院では直接灸の他に、せんねん灸やびわの葉温灸、陶器灸、棒灸などを使い分けて
その方の体質や、体調に合わせた治療を行っております。

ご自宅でもセルフケアができるよう、ツボの取り方や、お灸の据えかた、ストレッチや
筋膜リリースの方法などもご指導しております。

お困りの症状があれば、お気軽にご相談下さい。

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