変形性膝関節症について

こんにちは、今回は「変形性膝関節症」の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

膝の痛みのほとんどの原因である変形性膝関節症は、長い時間をかけて関節軟骨が
少しずつスリ減ってきて、関節に炎症が起こる病気です。

原因は加齢に加え、運動不足による太ももの筋力低下、肥満、O脚などさまざまです。
性別では、ほぼ4対1の割合で女性に多く発症するとされています。

  

膝関節は寝ている時以外は、常に体重を支え続けており、立っているだけでも体重の
1.1倍、歩いている時は体重の2.6倍、階段を降りる時には体重の3.5倍の負荷が膝関節に
かかるとされています。

ちなみに、体重66㎏の私が階段を降りる時には、231㎏の負荷が膝関節にかかることに
なります。そのため、膝痛の予防改善には体重のコントロールも大切になります。

 

変形性膝関節症の膝痛は、椅子から立ち上がる時や、歩き出そうとする時などの動作の
始めに痛みが出現することが特徴です。
ごく初期には痛みの部位がハッキリせず、関節周囲の筋肉の強張り、膝の裏や膝前面の漠然と
した不快感などを訴えることが多く、正座やしゃがむ時に初めて痛みに気づくこともあります。

病気が進むと変形が高度になり、体重がかかると激痛を伴うため歩行が困難になったり、
階段の昇り降りが辛くなったりします。また、関節の炎症が強いと関節内に水が溜まることが
みられるようになります。

 

関節の異常は東洋医学では「痹症(ひしょう)」と呼ばれ、その原因に基ずき、
行痹・痛痹・着痹に分類されています。
行痹:風邪により四肢の関節が痺れたたり、痛んだりする。
痛痹:寒邪が主であり、痛みは固定性で、チクチクと刺されているように強く痛む。
着痹:湿邪が主であり、関節の重だるさ、悪天候で増強、患肢に浮腫みを伴うことあり。

なかでも膝関節痛は、痛痹と着痹の影響を受けやすいため、寒い時期や梅雨の時期に
症状が強く出やすくなります。

 

当院での鍼治療はYNSA(Yamamoto New Scalp Acupuncture:山元式新頭針療法)による
施術がメインですので、頭にあるツボに鍼を刺すことで、膝の痛みが軽減します。
痛みの無い状態で膝関節の運動を行うことができるため、膝関節周囲の筋肉の血流を促す
ことで関節可動域の改善や痛みの改善を図ることができます。

最近の研究では、スリ減った関節軟骨でも適切な運動をすることで新陳代謝を促すことが
でき、痛みの抑制に繋がると言われています。

また、お灸を毎日据えることで、膝痛や膝に溜まった水の消退を図ることもできます。
当院では適切な運動療法の指導と、お灸の据えかたの指導を行っております。
また、ダイエットについてもご相談に応じております。
変形性膝関節症の治療には、毎日の適切な運動療法と施灸が欠かせません。

鍼が苦手な方には、棒灸、ビワの葉温灸、陶器灸などによる治療も行っております。

当院では定期的に「お灸教室」を開催しております。
次回は3月26日(日)、14時から当院で開催予定でおります。

次回は「膝痛」についてのお灸をメインに行いますので、お灸でのセルフケアをお考え
でしたら、是非お問合せ下さい。

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