眼精疲労について

こんにちは、今回は「眼精疲労」の鍼灸治療についてお話させて頂きます。

長時間にわたるパソコンやスマートフォン、TVゲームなどの操作により、眼の疲れを
訴える人が増えています。

眼精疲労は一時的な眼の疲れではないため、睡眠や休息を取っても解消されず、原因は
加齢だけではないため、子供でも発症します。

  

原因としては、近視・乱視・老眼、ドライアイ、緑内障・白内障などの眼の病気、
メガネやコンタクトレンズが眼に合っていない、VDT症候群などがあげられます。

症状は、眼がかすむ、眼がショボショボする、眼の奥が痛い、眼がチカチカと眩しく
感じる、眼の充血、瞼がピクピク痙攣するなどがあります。

また、眼のレンズの役割をしている水晶体の厚みを調節しているのが毛様体ですが、
近くの物を見るときには、毛様体が緊張することで水晶体が膨らみピントを合わせて
います。つまり、近くの物を見続けている間は、毛様体が緊張し続けていることに
なります。

この毛様体は自律神経によってコントロールされているため、毛様体が緊張し続ける
と自律神経のバランスが崩れてしまい、頭痛、肩こり、不眠、眩暈、倦怠感など身体にも
不調が現れるのが眼精疲労の特徴です。

 

東洋医学では、「眼精疲労は全身(五臓六腑)の疲れ」であると捉えています。
眼精疲労の場合、肩こりを伴うことが多いため、肩や後頭部に圧痛・硬結を求め刺鍼
するだけでも症状を和らげることができます。

また、身柱(しんちゅう:第三・第四胸椎棘突起間)にお灸を据えると身体の疲れが
取れるので、眼精疲労にも有効です。
勿論眼の周りにあるツボも眼精疲労の治療点になります。

ご自分では眼が疲れたら、小骨空(しょうこっくう:手の小指の第一関節の中央)を
反対側の指の腹で30回ほどこすってみて下さい。

医師で鍼灸を治療に取り入れている、西田晧一先生は「眼保体操」を勧めています。
先生によりますと、「中国では小学校から高校まで毎日、音楽に合わせて『眼保体操』を
するそうである。そのためかメガネをかけている子供が少ない」と言われています。

「眼保体操」のやり方です。
①睛明(せいめい:眼の内側で鼻根との間)を両手の人差し指で上下に約30回もむ。
②人差し指と中指で瞼の上から眼球を約30回マッサージする。
③太陽(眉毛の外端と目尻との中央から耳に向かって親指一本分いった処)に親指を当てて、
人差し指を曲げて指の関節で、眼窩の上下を内側から外側に円を描くようにマッサージする。
④四白(しはく:瞳孔の親指一本分下で、眼の骨の淵)を人差し指で上下にマッサージする。
           東洋医学見聞録・下巻 医道の日本社刊より引用させて頂きました。

西田先生ご自身も「眼保体操」を毎日されていて、現在でもメガネ不用とのことです。
私も「眼保体操」を行っています。簡単な体操でメガネが不要になり、眼精疲労予防にもなります。

是非試してみて下さい。

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